人工光合成は、カーボンニュートラルを実現すること,さらには資源・エネルギー・環境問題を解決する科学技術として注目されています。
 本セミナーでは、光触媒-電解ハイブリッドシステムによる経済性のある水素製造技術および光電極を用いた水素と有用化学品の製造などの技術を話して頂きます。次に太陽光で生分解性プラスチックを作る試みを、そして効率の良い人工光合成を行うことができる新しい光触媒の開発について話して頂きます。最後に人工光合成プロジェクトの成果と東京大学とINPEXのチームが1位になった2022年EU主催のコンテストの報告もします。
 ぜひこの機会にご参加下さい。

開催日時

2023年4月5日(水)13:00~16:15(聴講者入室:12:45~)

形態

Zoomを用いたWEBセミナー(Zoomウェビナー)
注)本セミナーでは録音・録画、PC画面の撮影、また配布しますセミナーテキストの複製・第三者への提供などの行為一切を固く禁じます。

プログラム

講演時間に質疑応答5分程度を含みます。講演は5~10分前後することがあります。

13:00~13:05

オープニング

13:05~13:50

経済合理性のある人工光合成技術を目指して

産業技術総合研究所 佐山 和弘 氏

気候変動抑制に関するパリ協定が発効し、日本政府は温室効果ガスを2013年から46%削減、2050年にCO2排出実質ゼロにする目標を明言している。このためには再生可能エネルギーの大量導入の革新技術を開発することが最重要課題である。再生可能エネルギーの中で最もエネルギー源が膨大なのが太陽光である。太陽エネルギーには,膨大なエネルギー規模,クリーン,安全,無尽蔵,地球上広く分布などの多くの長所があるが,一方で,エネルギー密度が低くて希薄,天候に左右されやすく不安定という2つの致命的な欠点があるためにその有効利用技術は非常に限定的である。大括りでは太陽光発電,太陽熱利用,バイオマスエネルギーの3つの技術しかない。太陽エネルギー利用の更なる拡大は非常に重要であるが,それらに続く数少ない選択肢として人工光合成技術がある。太陽電池なみに高効率でかつ植物栽培なみに簡便で長寿命,どん光触媒-電解ハイブリッドシステムによる経済性のある水素製造技術および光電極を用いた水素と有用化学品の製造などな土地でも使えるという革新的な太陽エネルギー変換する人工光合成システムの実現はまさに人類にとって夢の技術となる。
本セミナーでは,筆者が注力している光触媒-電解ハイブリッドシステムによる経済性のある水素製造技術および光電極を用いた水素と有用化学品の製造などに関して説明する。水から水素だけでなく,過酸化水素や次亜塩素酸,過硫酸,有機物等の様々な有用化学品を生成し,実用性と経済性を高める技術に関しての成果などを紹介する。

13:50~14:35

光エネルギーと生体触媒によるCO2から有用物質生産のための人工光合成 ~プラスチック原料生産への展開~

大阪公立大学 天尾 豊 氏

太陽光エネルギーを利用し二酸化炭素をブドウ糖やデンプンに固定する天然光合成を手本にして、二酸化炭素を原料として有機化合物に固定し、生分解性プラスチック・エンジニアリングプラスチック原料やプラスチックそのものを作り出すことができれば、天然光合成を手本とした二酸化炭素の有機化合物への固定に基づく究極の人工光合成が達成できる。
本講演では、可視光増感分子とロジウム錯体からなる光酸化還元系にいくつかの生体触媒を組み込むことによって、光エネルギーを駆動力として二酸化炭素をアセトンなどの簡単な有機分子やピルビン酸などのバイオマス由来分子に固定し、有用なプラスチック原料が生産可能な技術について紹介する。

14:45~15:30

効率の良い人工光合成を行うことができる新しい光触媒の開発

東京理科大学 工藤 昭彦 氏

カーボンニュートラルを実現,さらには資源・エネルギー・環境問題を解決する科学技術として,人工光合成が注目されています。近年,政府関係の話やマスコミでもしばしば取り上げられています。代表的な人工光合成として,水からグリーン水素を製造する,水を水素源として二酸化炭素を資源化する反応があげられます。この人工光合成技術の中で,簡便で低コストが期待される光触媒を用いた技術開発が望まれています。光触媒を用いた人工光合成は世界中で50年以上研究されてきました。粉末光触媒を用いたグリーン水素製造の実用化に向けては,効率の良い人工光合成型光触媒の開発が鍵となっています。これが実現すれば,カーボンニュートラルの実現が加速されると言っても過言ではありません。
本セミナーでは,今までどのような研究がなされてきたか,何が課題点だったのか,現状はどうなっているのか,今後すべき課題は何かを正しく理解することを目的とします。そして,光触媒を用いた人工光合成の原理などの基礎的なことからから,金属酸化物,金属硫化物などの材料を基礎とした多様な水分解および二酸化炭素還元光触媒を紹介します。これを学ぶことにより,人工光合成研究の裾野が広がり,さらには新たな産業創成に繋がることを期待します。

15:30~16:15

人工光合成プロジェクトの成果と社会実装に向けた取り組み、およびEU主催の人工光合成コンテストについて

人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)
西見 大成 氏

2012年度~2021年度に行われた人工光合成プロジェクト(正式名:二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発)では、「①光触媒によって、水を水素と酸素に分解、②分離膜によって、水素と酸素の混合ガスから水素を安全に分離、③得られた水素と工場排ガス等から取り出した二酸化炭素を原料として、基幹化学品であるC2~C4オレフィンを製造」という一連の技術開発により、数多くの研究成果を得た。これらの研究成果の社会実装を目的として、人工光合成プロジェクト(第2期)は、グリーンイノベーション(GI)基金事業プロジェクトの1テーマとして採択され、2022年より活動を開始した。本講演では、人工光合成プロジェクトの成果と社会実装に向けた取り組みについて紹介する。
2022年、東京大学とINPEXは、人工光合成プロジェクト(第1期)で得られた「光触媒を利用したグリーン水素製造」に関する研究成果を利用し、EU主催のコンテスト「Fuel from the Sun:Artificial Photosynthesis」に出場した結果、全22チーム中で1位となり、5百万ユーロを獲得した。
本講演では、このコンテストで最終選考に残った3チームの技術内容についても紹介する。


参加方法 他

参加方法 4月4日(火)正午までにZOOM招待メールをお送りいたします。
接続テスト 4月5日(水)11:00~11:30
接続確認が終了いたしましたら退出をしていただき、当日12:45になりましたら同様の手順によりご入室ください。
講演資料 4月4日(火)までに順次送信しますZOOM招待メール内に、講演資料のダウンロードURLを記述したしますので、ダウンロードをお願いいたします。
注)配布資料は公開可能な範囲となります。また、資料は複製・コピー、第三者への開示・提供を固く禁じます。

受講料・申込方法ほか

受講料 33,000円(税込)* 講演資料代含む
---複数名申込割引---
同一企業から複数名でお申込みいただいた場合、
2人目以降の方の受講料を半額の16,500円(税込)にさせていただきます。
<複数名でお申込みの場合>
【申込区分】にてお申込みになられる人数を選択し、【同時申込者】にて同時に参加される人数(お申込者を除く)を選択していただきますと、その人数分の記入欄が表示されますので「お名前」「ご所属先」「E-mailアドレス」をご記入ください。
申込方法 下部にあります、お申込みフォームよりお申込み下さい。
受付が完了しましたら下記件名の自動返信メールが届きます。メール内の決済用アドレスより決済を完了させてください。

件名: 人工光合成セミナー お申込み確認メール【オプトロニクス社】

決済が済みましたら、下記件名のメールが届きます。

件名:【ZEUS】決済完了メール(自動配信)
件名: 人工光合成セミナー 料金お支払い確認メール【オプトロニクス社】
支払方法 自動返信メールに決済用URLを記載しております。お支払いは4月4日(火)までにお願いいたします。

領収書発行 クレジットカードご決済後、料金お支払い確認メール内に、領収書のURLが記載されていますのでご使用ください。
領収書の宛名は申込フォームの「会社名・団体名」がそのまま反映されます。
申込締切 3月29日(水)
キャンセル規定 お客様のご都合による受講解約の場合は下記のとおり解約金として申し受けます。
3月28日(火)までは受講料の50%、3月29日(水)以降につきましては受講料の全額
お問合せ (株)オプトロニクス社
セミナー内容に関するお問合せ 担当:加納
支払いに関するお問合せ 担当:光岡
Tel:(03)3269-3550 E-mail:seminar@optronics.co.jp

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